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LTRビザ②|50歳以上の富裕層退職者・年金受給者を対象とする「Wealthy Pensioners」の取得条件や取得方法を解説

LTRビザには2024年現在で4タイプのビザがあります。

今回はその内の一つである、50歳以上の富裕層退職者を対象とするLTRビザ「Wealthy Pensioners(富裕層退職者・富裕層年金受給者)」についてご紹介します。

<注意>

LTRビザは2022年にできたばかりのビザです。今後取得条件や申請の流れなどが変化していく可能性もありますので、申請時はその時点での最新情報をご確認の上、申請を進めていくことをおすすめ致します。

Wealthy Pensionersの取得条件

Wealthy Pensionersの取得条件は以下の通りです。以下の条件をクリアすることでWealthy PensionersタイプのLTRビザを取得することができます。

①50歳以上であること

②申請時の年間個人所得が8万USD以上あること
※年間個人所得は年金、配当、家賃収入、その他の不労所得のみが証明対象となります。給与、役員報酬、手当などの収入は認めらません。
<8万USDに満たないが、4万USD以上ある場合>
申請時の年間個人所得が8万USD未満、4万USD以上の場合は、タイ国債、タイ直接投資、タイの不動産のどれかに25万USD以上の投資をすること

③5万USD以上の医療保険への加入、タイ国内における治療費を保障する社会保険、または10万USD以上の銀行預金があること

上記の取得条件の項目を証明するための必要書類や詳細についてはこちらのページをご覧ください。

必要書類と注意事項

パスポート

パスポートは有効期間が6ヶ月以上残っており、LTRビザおよび滞在許可のスタンプ用に少なくとも2ページ分の空白ページが必要です。

また、パスポートコピーの際は、バイオデータページ(顔写真のあるページ)とタイ入国管理局のスタンプなどがあるすべてのページのコピーが必要です。

※パスポートおよびビザのすべてのページは、見開きページとして配置し、時系列順に1つのPDFファイルにまとめます。
※TM.47フォームを有する申請者は、スキャンを行いPDFデータで上記とは別ファイルデータとしてアップロードします。
※パスポート更新をしたばかりの方は更新前の古いパスポートを追加確認のために要求される場合があります。
※パスポートが損傷している場合、ビザ発行のための予約日に認可されない場合があります。
例:水損、著しい摩耗や破れ、ビザページの破れや欠落、非公式なマークなど。

医療保険・社会保険・銀行預金のいずれか

<医療保険>
健康保険証(旅行保険は不可)は、タイ滞在期間全体を対象とし、タイでの入院および医療費に対して少なくとも50,000USDをカバーし、かつ残りの保険期間が10ヶ月以上あるものである必要があります。

医療保険の加入を検討されている場合は下記記事を併せてご覧ください。

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<社会保険>
タイでの入院および医療を保証する有効な社会保障給付を示す証拠の提示が必要となります。

<預金証明>
預金・財務証明または銀行取引明細書(投資ポートフォリオは不可)で、申請時に少なくとも12ヶ月間100,000USD以上保持されているもの。

注)書類はタイ語または英語のみでなければならず、翻訳された書類は公証されている必要があります。

写真

白い背景で撮影された申請者のパスポートサイズの写真(ファイルサイズ最大2MB)

顔はカメラを正面から見ており、フォーマルまたはビジネスの服装(Tシャツは不可)。眼鏡、帽子、アクセサリーを着用しておらず、6ヶ月以内に撮影された写真。

T.M.6カード(該当者のみ)

2022年7月1日前にタイに入国した個人、または陸路の国境検問所を通過し、T.M.6カードを発行された人はT.M.6カードの提出が必要です。

投資証明

国家当局に提出された個人所得税申告書(例:P.N.D. 90/91、BIR60、Form1040、FormW-2、SA100、T1 Generalなど)で、過去1年間に年収が80,000USD以上であることを示すもの。

※年間個人所得は年金、配当、家賃収入、その他の不労所得のみが証明対象となります。給与、役員報酬、手当、自営業などからの収入は認めらません。

注)書類はタイ語または英語のみでなければならず、翻訳された書類は公証されている必要があります。

<収入証明が80,000USD未満の場合>

収入証明が80,000USD未満であるが、年間40,000USD以上の場合、申請者は次のいずれかの書類を追加で提出する必要があります。

■申請者名義で残存期間が5年以上のタイ政府債券のコピー

■会社の株主リスト(Bor.Or.Jor. 5、発行から3ヶ月以内のもの)またはベンチャー企業への投資のための証券取引委員会からの証券業務ライセンス、または、申請日時点で1年以上保有している SET上場の公開株式の所有を証明するブローカーからの証明書

■以下のタイの不動産所有証明書
自由保有の場合は、申請者名義のアパートメント/コンドミニアム所有証明書のコピー(Or.Chor. 2)およびタイ土地局発行のコンドミニアムユニットの売買契約書のコピー(Or.Chor. 16 または Or.Chor. 23)

賃貸借物件の場合は、タイ土地局発行の賃貸借物件契約書のコピー

ヴィラの所有や土地のリース等、他の不動産への投資の場合は、物件の購入価格を示す正式な売買契約書および/または申請者名義の地役権またはリース権が記載された土地の権利書

その他(該当者のみ)

・申請者の国籍または居住国から発行された犯罪歴がないことを証明する書類
(書類は発行から3ヶ月以内のものであること)

・タイ王国警察特別支局警察無犯罪証明センターが発行するタイ警察証明書

注)書類はタイ語または英語のみでなければならず、翻訳された書類は公証されている必要があります。

Wealthy Pensioners取得のメリット

・10年ビザが取得可能(5年毎に更新手続きが必要)

・マルチプルリエントリービザ(何度も出入国可能)

・LTRビザ保有者一人につき、配偶者と20歳以下の子供たちの分のビザも4名分まで発行可能
※必要条件として、下記3点のいずれかを満たす必要があります。
①5万USD以上がカバーされる健康保険に加入している
②タイでの社会保障給付がある
③申請者名義または帯同家族名義での銀行口座において帯同家族1人当たり少なくとも2万5千USD以上を12ヶ月以上預け入れ維持していること

・国外源泉所得の持ち込み非課税
※タイでは2024年から国外源泉所得の持ち込みに対する課税ルールの変更が行われました。Wealthy Global CitizensタイプのLTRビザ取得者は国外源泉所得の持ち込みをしても課税されません。

・タイの国際空港におけるファストトラックサービスが利用可能

・労働許可証(デジタルワークパーミット)
※タイで働く場合は、労働許可証を取得することができます。タイのどこかの会社で勤務したり、タイで会社設立を行い代表として就任したりする場合などに取得します。
また、タイでは外国人1人の就労につき4人のタイ人の雇用が義務となっていますが、この雇用義務が免除となります。ただし、労働許可証は必ずしも取得できるものではなく、審査次第となります。

・90日レポートを1年レポートに延長および再入国許可申請(リエントリー)の免除
※タイに90日以上滞在する外国人は90日レポートという居住地報告義務がありますが、LTRビザ取得者は1年レポートのみとなります。また、リエントリーの手続きも不要です。

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Wealthy Pensioners取得の流れ

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申請書の提出

オンライン登録を行い、LTRビザの申請書や必要書類を提出します。帯同家族も申請する場合は、1人につき1つずつ、別アカウントを作成する必要があります。主たる申請者がシステムで申請プロセスを開始してドキュメント番号 (DOC.NO) を取得すると、扶養家族も申請書を提出できるようになります。帯同家族が申請を提出した後、主たる申請者はアカウントにログインして帯同家族のリクエストを承認する必要があります。

STEP
1

書類確認

オフィサーによる書類チェックが行われ、不備などがないか確認されます。所要日数は約3営業日で、場合によっては追加書類が求められます。

STEP
2

審査・承認

書類確認後にオフィサーがシステム登録を行い、承認審査のため関連機関(入国管理局、BOI、領事局など)に共有されます。審査結果は20営業日以内に申請者に通知されます。(追加の書類が要求された場合、処理にさらに時間がかかる場合があります。)

STEP
3

ビザ発給

審査通過後、事前承認プロセスのために必要な情報や書類を提出するよう通知が来たらそれらの書類を提出します。事前承認リクエストが承認されると、申請者には承認レターの通知が届きますので、在外タイ王国大使館/タイ王国総領事館またはワンストップサービスセンターにてLTRビザ発行のための予約を行います。承認レター受取日から60 日以内に行う必要があります。

STEP
4

まとめ

LTRビザは2022年から導入されたばかりのビザです。新しいタイプのビザであり、まだあまり知られていない印象がありますが、多くのメリットがあるため今後注目されていくことが予想されます。本記事がWealthy PensionersタイプのLTRビザ取得予定の方の参考になっておりましたら幸いです。