
今回はタイ・バンコクでのバイクの運転免許取得方法について解説します。タイでは以下2つのいずれかの方法で免許を取得することでバイクを運転することができます。
①日本で自動二輪の国際運転免許証を取得
②タイの陸運局または教習所で技能試験・学科試験を受けて免許を取得
<注意>
日本では普通自動車免許を持っていると原付バイクも運転できますが、タイでは流通しているバイクが110cc以上であるため、タイでバイクを運転したい場合は二輪の免許を取得する必要があります。
本記事ではバンコクにあるD-1 Driving Schoolという教習所で技能試験や学科試験を受けて免許を取得するまでの流れをまとめていますので、バンコクで取得予定の方の参考になりましたら幸いです。
目次
D-1 Driving Schoolの概要

<スクール概要>
スクール名:D-1 Driving School
営業時間:08:00~19:00
WEBサイトはこちら。
最寄りは駅:BTSプンナウィティ
※駅から離れているので車などでのアクセスをおすすめします。

D-1 Driving Schoolでは、バイクの免許取得コースだけでなく、車の免許取得コースもあります。
外国人向けに英語での対応も行っています。

バイク運転免許コースの必要書類
バイクの運転免許コース(Motorcycle driving license course)の申し込みを行う際は下記書類の準備が必要です。
①パスポート、タイのIDカード、ピンクカードのいずれか
②ビザスタンプのページ(ノンイミグラントなどの長期滞在ビザ)
※現在取得しているビザで申し込みができるか事前にスクールに確認することをおすすめします。
③住所証明(大使館発行の在留届出済証明書、イミグレーション発行の居住証明書、ワークパーミットのいずれかの書類)
注)住所証明に関して、2018年以降に発行された労働許可証(work permit)から住所の記載がなくなっていますので、大使館発行の在留届出済証明書で住所証明する方が多いかと思います。
在留届出済証明はオンラインで申請可能|ORRネット
在タイ日本国大使館では、2023年から旅券や証明の一部をオンラインで申請手続きできるようになっています。 以前は申請の際に大使館へ行き、別日に受け取りをしに再度大使館へ行く必要がありましたが、一部手続きがオンラインで申請 […]
④健康診断書(発行から1ヶ月以内の診断書)
健康診断書はクリニックなどで取得ができます。
参考:ブレズクリニック健康診断書作成
アソーク院
プロンポン院
⑤写真(6ヶ月以内に撮影したもの)
写真サイズは2インチです。写真は2枚用意する必要があります。スクンビット近辺で写真撮影をする場合は、例えばエムクオーティエの3FにあるBIG Cameraさんで撮影可能です。撮影費用は10枚くらいのセットで180THBでした。
<その他の申し込み時の参考情報>
※バランス感覚があるかを確認するために、初回問い合わせ時に「自転車には乗れますか?」と聞かれることがあります。
運転免許コースの流れ
予約をする
予約はLINE公式アカウント・メールフォームまたは窓口でできます。
※コースの申請費用は2,000THBでした。申し込み時に送られてくるQRコードで振込ができます。
1日目:適性検査と指紋スキャン
D-1 Driving Schoolの建物内に入ったらまず受付カウンターへ行って必要書類の確認・サインなどの手続きを行います。その後、適性検査と指紋スキャンを行います。
適性検査を受けることができるのは、金曜日以外のすべての曜日の朝8時~夕方16時までの間です。適性検査は問題がなければ数分で完了します。適性検査後は機械に指をあてて指紋スキャンを行いますが、これもすぐに終わります。1日目の滞在時間は約20分ほどでした。
また、この日に学科試験対策用の問題集をいただきました。これで学科試験に向けてしっかり対策ができます。
適性検査で行う内容は下記Youtube動画をご覧ください。

2日目:技能教習&技能試験
朝8時~夜19時まで行います。予約可能な曜日は月曜日~日曜日のすべての曜日です。遅刻するとその日は受けることができず、再度別日予約が必要となるので遅れないようにご注意くださいとのことでした。
<技能教習&技能試験当日の流れ>
①朝8時に指紋スキャンを行います。
②まずは部屋で簡単な説明を受け、ウォームアップで40分くらいバイクの運転練習を行います。
③休憩を挟んでビデオを視聴(約40分)。その後またバイクの運転練習を行います。
④休憩を挟んで12時に再度指紋スキャン。
⑤昼食を挟んで1時半からまた運転練習スタート。準備ができ次第技能試験を行います。
試験の内容は、S字走行・一本橋・ウインカー等です。試験をクリアし、先に終わった人は建物内で待機します。建物内のパソコンで学科試験対策の勉強ができます。
※初めて運転する方で、運転が不安な場合は後述の「Practice Driving Course」を受けてから試験に挑戦することも可能です。
⑥18時40分頃になったら最後に再度指紋スキャンをしてこの日は終了です。
3日目:学科教習&学科試験
学科教習は朝10時~夕方16時半まで行います。予約可能な曜日は木曜日または土曜日です。学科試験はパソコンで行います。試験は選択式となっており、英語で受けました。
<学科教習&学科試験当日の流れ>
10時に指紋スキャンを行い、17時までの間にビデオ視聴&指紋スキャンを何度か繰り返し、17時から学科試験を受けます。(50点満点中の45点以上で合格です。1時間以内に完了する必要があります。)
学科試験はこの日に2回まで受けることができ、2回目も合格できない場合は別日を予約して再度受験することになります。
<学科試験対策>
筆者が行った学科試験対策は以下の2つです。
①D-1 Driving Schoolからいただいた問題集を読んで勉強しました。(すべて英文で約500問くらいありました。)
②試験対策サイトで問題を解く。学校スタッフの方に下記サイトを教えていただきました。言語を英語設定にして問題を解いて勉強しました。
https://thaidriveexam.com/
学科試験も合格すると陸運局での提出書類(証明書等)一式を受け取ることができます。
陸運局へ行き運転免許を発行
最後に陸運局に行って免許取得手続きを行います。D-1 Driving Schoolからの証明書の有効期間は受取日から6ヶ月です。学校から受け取った書類一式(証明書や各書類のコピーなど)・パスポート原本・住所証明書類の原本・健康診断書を持って陸運局へ行きます。バンコクで免許取得される方は下記2つの陸運局のどちからで取得されていると思います。
チャトチャック陸運局
バンチャック陸運局
今回はD-1 Driving Schoolから近い、バンチャック陸運局へ行ってみることにしました。
バンチャック陸運局

バンチャック陸運局は、BTSバンチャックから歩いていける場所に位置しています。手続きを行う建物はこの写真の入り口付近から奥に進んだ所にあります。

こちらが手続きを行う建物です。中に入ると目の前に受付カウンターがあります。
まずは必要書類を持って16時前くらいに行ったのですが、「今日は発行対応ができないので、別日を予約して再度来てください。」とのことで、この日は書類に不備がないかチェックいただき、別日を予約して再訪することにしました。(おそらく朝一くらいで手続きをしていたら一発当日発行できたのかもしませんが、ここで免許所得や更新を経験した方に聞いたところ、混雑等の理由で別日に再訪するように言われることもあるようで、手続きの際は再訪が必要となる前提で手続きしに行った方が良いかと思います。)
再訪日は朝一番の8時前あたりに行きましたが、8時の時点でもかなり人がいました。まず建物に入ってすぐ目の前の受付カウンターで書類チェックをしてもらいます。その後は写真撮影などの免許証発行手続きを進行していきます。バイクの場合は手数料で105バーツ(現金払い)かかります。8時から手続きを開始して順番待ちなどを経てすべて完了したのが9時半頃でした。混雑具合によるかと思いますが、2時間くらいはかかると思って行った方が良いと思います。
以上でバイクの免許取得は完了です。最初の免許証の有効期間は2年となります。
初めてバイクを運転する場合
初めてバイクを運転する方の中には、いきなり「Motorcycle driving license course」ではなく、バイクに乗る練習をしたいという方もいるかと思います。D-1 Driving Schoolでは、そういった方向けに初心者向けの「Practice Driving Course」というコースも設けています。
初めてのバイクで不安な方は「Practice Driving Course」の教習を受けることが可能です。英語ができるタイ人の教習担当の方からマンツーマンで指導を受けることができます。わかりやすく丁寧に教えてもらえますので、初心者の方でも安心です。
<Practice Driving Courseの詳細>
教習時間:2時間
教習費用:1,400THB
※もっと練習したい場合や教習指導員の方からもう一回練習した方が良い等の助言を受けた場合は、同額を支払うことで、追加で2時間教習を受けることが可能です。
関連情報
バイクの運転と保険について
タイには強制保険(พ.ร.บ. – ポーローボー)と任意保険があります。
強制保険(自賠責保険)の詳細はこちらのページをご確認ください。強制保険(พ.ร.บ. – ポーローボー)では補償対象や補償額が限られているため、別で物損なども対象となる任意保険にも加入しているケースもあります。任意保険にはいくつか種類があり、カバー内容が異なります。
また、強制保険(พ.ร.บ. – ポーローボー)では医療費の補償額が限られているため、自分自身の身体の怪我による高額な治療が必要な場合の備えとして民間の医療保険へ加入している方もいます。
ただし、保険に加入していてもバイク運転時の事故による治療については、以下の条件に該当する場合は補償対象外となるので注意が必要です。(情報提供:パシフィッククロス社)
・運転者が有効なバイク免許を所持していない場合
・事故発生時に薬物またはアルコールの影響下にあった場合
また、保険以外にも自動車税の支払いなどもありますので、バイクを運転する方は忘れないようにご注意ください。
クルマの運転免許について
車の運転免許取得方法(日本の免許から切り替え取得するパターン)については下記記事でまとめています。タイ移住後に車の免許を取得予定の方は併せてご覧ください。
タイ・バンコクで車の運転免許を取得する方法|日本の免許・国際免許からの切り替え
タイはジュネーブ条約に加盟しているため、日本人でも国際免許を所持していればタイで運転することができます。また、国際免許を持っていなくても、日本の運転免許証をタイの運転免許証に切り替えて運転することも可能です。 タイでの運 […]
最後に
本記事の情報は2025年3月時点での情報です。今後取得条件や申請の流れなどが変化していく可能性もありますので、教習所へ行かれる場合はその時点での最新情報をご確認の上、免許取得を進めてください。
PROFILE
執筆/監修者プロフィール

タイ移住Navi編集室
タイ現地在住の日本人による移住情報発信メディア「タイ移住Navi」編集室です。タイ移住を検討されている方向けにさまざまな情報を発信しています。
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